インバータのスイッチングによりHVバスには大きな電圧/電流リップルが発生し、周波数は20kHzになることがあります。このリップルのため、12Vバスに給電するメインのDC-DCコンバータには厳しい条件が求められます。
特に重要なのは、コンバータから発生するノイズを減衰させることが主な役割である、EMIフィルタの設計です。コンバータの安定性や、システムの信頼性、12Vバスの安定性を確保するために、EMIフィルタは部品が大型化したり、発熱が増大する場合があり、EMC規制への対応に苦労することさえあります。
Vicorのサインアプリチュードコンバータ(SAC™)技術を用いた電源モジュールを使うことで、フィルタの設計を簡素化でき、12Vバスのノイズを少なくし、高い信頼性を保つことができます。これにはインバータのスイッチングによって生じる電圧リップルに対応できる高帯域幅のコントローラが寄与します。
Vicor / Automotive Principal Field Applications Engineer
Haris Muhedinovicは、自動車メーカーや部品サプライヤと協力し、要求の厳しい自動車アプリケーション向けの高性能電源ソリューションの設計・開発に携わっており、パワーエレクトロニクス及び、エレクトロニクスシステムにおける、新しいテクノロジーとトレンドを鑑みながら、電源システムに対する厳しい要求仕様に対応するべく取り組んでいます。
Harisはサラエボ大学の修士号を取得後、パワーエレクトロニクス分野のアプリケーションエンジニアとして7年の経験があります。
General Motors / Power Converter Engineer
Ranya Badawi は、General Motorsのパワーコンバータエンジニアで、車載と非車載の両方のアプリケーションのHV電力変換器を開発しています。パワーエレクトロニクス、コンバータ制御、システムレベルの統合と安定性に関心を持っています。シンシナティ大学で工学修士号(MEng)を取得し、現在はオークランド大学で電気・コンピュータ工学の博士号を取得中です。高電圧コンバータの設計・開発において6年以上の経験があります。
General Motors / Power Electronics Technical Specialist
Steven Wyboは、General MotorsのDC-DCコンバータのテクニカルスペシャリストです。パワーエレクトロニクスの分野で、主に自動車の電動化に関して、30年の経験があります。General Motorsでは、複数の電気自動車やハイブリッド車向けの車載用DC-DCの開発・立ち上げに携わりました。General Motors入社以前は、フォード/ビステオンの自動車用パワーエレクトロニクス設計に従事していました。ミシガン大学で電気工学学士号(BSEE)を取得し、コロラド大学ボルダー校でパワーエレクトロニクスを修了しています。
Originally presented at World Congress Expo on April 18, 2023