Accelerating coral reef growth using renewable energy
再生可能エネルギーでサンゴ礁の生育を促進
全世界の海岸線の70%以上が浸食されています。世界では2億人の人々が様々な形でサンゴ礁に依存して生活しており、サンゴ礁の衰退は世界中の多くの地域社会や人々の生活を脅かすリスクになります。英・CCell Renewables社 は、サンゴの復元と拡大の事業を手掛けることで、海岸の浸食を防止し海洋生体系を保つことをミッションとする、海洋工学の企業です。CCell社は、太陽光、風力、波力エネルギーなどの再生可能エネルギーを用いて、サンゴ礁の生育システムに電力を供給しています。ただし、再生可能エネルギーは本質的に予測が不可能であり、供給される電圧の変動が大きいために、複雑な電圧変換と電圧調整を備えた電力供給ネットワークが必要になります。
技術的な課題
技術的な課題
非常に広い入力電圧範囲
長い電力供給距離
正確な電圧レギュレーション
再生可能エネルギーを正確に電圧変換して調整する
再生可能エネルギーを正確に電圧変換して調整する
CCell社が運用するサンゴ礁育成システムは、海水を電気分解し、電極(アノードとカソード)である大きな鋼製フレームの上に炭酸カルシウム(石灰岩)を堆積させ、新しいサンゴ礁の土台を作ります。自然界では、サンゴが成長するために必要な石灰石ができるまでに数百年の年月が必要ですが、この革新的な技術を用いれば、わずか5年で作ることができます。
Vicorの Factorized Power Architecture (FPA) 技術は、電圧変動の大きい再生可能エネルギーを、最適な電気分解プロセスのために必要な正確な電圧に変換して、供給する、という用途に大変適しています。電気分解処理の速度は、遅すぎると石灰岩が成長せず、速すぎると脆い組成になってしまいます。
Vicorの特長
Vicorの特長
Factorized power architecture 技術
高効率
高いスケーラビリティ
Postcast
Powering Innovation ポッドキャスト
CCell Renewables is reversing coastal erosion while enhancing the ocean’s natural ecosystems 今すぐ聞くFactorized Power Architecture技術で、電圧調整と電圧変換を最適化
入力電圧が広い範囲で変動するにも関わらず、電極間の電位差(電界)を1.2~4Vの「ゴルディロックスゾーン」内に保ち、海水に狙い通りの正確な電流を流すという課題に対してたどり着いた解は、VIcorの Factorized Power Architecture (FPA) 技術を使うことでした。VicorのFPA技術は、電圧を調整するモジュール(PRM™)と電圧変換・絶縁のためのモジュール(VTM™)で構成されており、この2つを組合わせることで、絶縁型DC-DCコンバータの機能が実現します。PRM(電圧調整機能)とVTM(電圧変換機能)に分けたことで、電力供給ネットワーク (PDN) が最適化できます。
PRMは昇降圧レギュレータであり、Vicor独自のゼロ電圧スイッチング(ZVS)技術を用い、広い入力電圧範囲で動作し、非常に高い効率と電力密度を実現します。また、大電力が必要な場合は、並列接続で容易に対応できます。電圧変換のモジュールであるVTMは、電圧変換比固定(レギュレーション機能なし)の高電力密度の共振型コンバータです。2種類のモジュールは連携して動作し、PRMによりサンゴ礁の成長に合わせて電圧を正確に調整し、VTMにより電圧変換(降圧)を行い、電極に電流を供給します。
電力供給ネットワーク (PDN)
VTM48EF060T040A00
VTM カレントマルチプライヤ
入力電圧: 48V (26 – 55V)
出力電圧: 6V (3.25 – 6.87V)
出力電流: 40A
32.5 x 22.0 x 6.31mm