物流用ロボット

物流用ロボットは主に大規模な物流拠点内の荷物の搬入・搬出、ピッキングなどの作業に用いられます。このロボットは通常24V～72Vのバッテリーを動力源としており、バッテリーは必要に応じて充電されます。Vicorの小型・高効率の電源モジュールは、最大75Vの入力電圧に対応しており、ロボット内部の負荷に必要な電圧へ変換することができます。駆動系や誘導システム、演算処理、無線通信、表示灯などのすべての機能を高効率で運用できます。

67Vバッテリーを使用するロボット向けの電力供給ネットワーク（PDN）

1つめの給電アーキテクチャでは、高性能の昇降圧レギュレータであるPRMモジュールの働きが重要です。PRMは96～98％の高効率で、24V～48Vの中間バス電圧を生成し、サーボ機構や後段のコンバータ（低い電圧が必要な負荷用）に給電します。低電圧用の降圧コンバータには、電圧変換比固定のNBM や、ZVS降圧レギュレータ、ZVS昇降圧レギュレータが利用できます。これらすべてのモジュールは並列接続することで、供給できる電力を容易に増やすことができます。

Power Delivery Network for a delivery robot

PRM 昇降圧レギュレータ

入力電圧: 36 – 75V

出力電圧: 48V

出力電力: 最大600W

32.5 x 22.0 x 6.3mm

NBM2317 電圧変換比固定DC-DCコンバータ

入力電圧: 38 – 60V

出力電圧: 9.5 – 15V

出力電流: 60A

22.8 x 17.3 x 7.4mm

ZVS 降圧レギュレータ

入力電圧: 8 – 36V / 30 – 60V

出力電圧: 1 – 16V

出力電流: 最大22A

最小 7 x 8 x 0.85mm

24～48Vバッテリーを使用するロボット向けの電力供給ネットワーク（PDN）

2つめの給電アーキテクチャでは、負荷の直近に配置するコンバータに、バッテリーから直接配電している点に注目してください。バッテリー電圧を受けて負荷へ給電するコンバータとして、PRMやZVS降圧レギュレータ、ZVS昇降圧レギュレータを使うことができます。たとえば、PI3740 ZVSレギュレータは10 x 14 x 2.5mm のSiPパッケージであり、100Wを超える電力をピーク効率96%で供給することができます。